介護職員のやりがいと聞くと、
・利用者、利用者家族からの「ありがとう」という感謝の言葉
・仕事を通して社会貢献できているという実感
・人手不足な業界の中で後輩が自分を見て育ってくれている
・利用者が自分の介護で元気になってくれている
上記が挙げられやすいのと思います。
そういった介護士としてのやりがいや、志の話を聞いたり、思いに触れていると、
「私は、特に介護の仕事にやりがいを感じたことが無い」という気持ちを心の奥にしまい込んでいる人にとっては、罪悪感を感じる人も少なからずいるのではないでしょうか?
または、どうも介護に対して高い志を持っている人と、話や仕事の価値観が合わずに、このまま介護職として働き続けていいのかと悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか?
介護の仕事に対する価値観も姿勢も人それぞれ
介護の仕事が嫌いで、仕事が雑になるのでしたら、向いていないと思って転職した方がいいでしょう。
しかし、介護の好きでも嫌いでもなく、社会貢献などを意識している訳でもない……けど、仕事を淡々とこなす事ができ、生活のためという前提があるなら、真面目に苦なく働けるとうなら、全く問題ありません。
社会貢献や高齢者の方のために働きたいと思っている人を見ていると、自分なんかがこのまま働いていていいのかと思ってしまうこともあると思いますが、実際は仕事と割り切り、生活のために介護の仕事を続けている人も沢山います。
また、社会貢献の事を考えていても、第一優先は生活のためで、資格を活かし、将来的に仕事に困ることもないから……という気持ちで働いている人もいます。
この辺りの、優先順位などはオープンにしている人もいれば、隠している人もいます。
そのため、例えやりがいを今一見出すことができなくても、あなたは自分を責める必要はないですし、仕事そのものが辛く辞めたいと感じているわけではないのでしたら、むしろ続けて頂けると嬉しいです。
介護士は人手不足なのは周知の事実です。例えば、やりがいや楽しさが分からなくても、介護の仕事を続けてくれるだけでも、本来は感謝されるべき仕事です。
介護の仕事に対する価値観や働く姿勢を、周りと比較するのではなく、自分が続けていきたいのか、それとも違うのかを基準にするべきです。
介護に対する価値観を押し付けられて辛い人へ
淡々と仕事と割り切って介護の仕事をしている人にとって辛いのが、介護に対する価値観の押し付けられることになる思います。
具体的には、最初に述べたような、社会貢献ができる喜びや、利用者家族からの感謝の言葉をやりがいにして働くべき……という価値観を押し付けられるケースになります。
会社の社訓や理念でしたら、表向きは「はいはい」と頷いていればいいのですが、働き方にまで干渉されると頭が痛くなるケースもあります。
利用者に喜んでもらえるようにする、レクリエーションに力を入れて楽しませたり、利用者の方にとって負担が少ない介護を考えるなどでしたら納得できると思います。
介護士として実力を向上させていく上でも大切です。
問題なのは、サービス残業や持ち帰りの仕事を強制されるケースになります。
利用者を楽しませる為に、会話に付き合ってあげることで、仕事が勤務時間中に終わらずに、サービス残業をする。持ち帰りの仕事をする。
個人で負担するならいいのですが、その負担を職場内全体で負担するとなると、黙々と自分の仕事をこなしている人にとっては面白くありません。
しかし、そこで仕事を黙々とこなすだけではなく、利用者を楽しませたり、喜んで貰うことのやりがいを説かれて、そのために時間を費やしてサービス残業が発生するなら、介護士として耐えるべき…と言われると、「そうなのだろうか」と思ってしまう人もいらっしゃると思いますし、そこで疑問や納得できない時点で、「自分は介護士として向いていないのではないか?」と思えてしまうこともあると思います。
まず、サービス残業自体は違法ですし、仮に時間外手当が支払われるとしても、残業などないに越した事はありません。
そして、基本的には勤務時間内で仕事を終わらせることを前提に、その中で利用者のことを考えた行動をとるべきです。
だから、安心してください。仮に、特定の介護職員に、「あなたはもっとサービス残業をしてでも、利用者と接する時間を増やすべき」と言われても、そんなのは個人の価値観の問題であり、サービス残業をするという点に関しては、そもそも「労働者としては避けるべきこと」とです。
価値観を押し付けようとしてくる人は面倒ですが、あなた自身が問題なく今まで働けているのでしたら、施設長等に残業せずに帰宅していいのかを確認して、帰宅してしまって問題ありません。
施設長やエリアマネージャーがサービス残業を押し付けてきたら
もし、介護職員のやりがいを盾に、現場の介護職員にサービス残業や持ち帰りの仕事をするように説いているのでしたら、それは施設長やエリアマネージャーの介護に対する価値観という訳ではなく、悪質な「やりがい搾取」をしたいだけの可能性が高いです。
介護が社会貢献性の高い仕事であり、人の役立つ仕事であることをいいことに、介護の仕事に対するやりがいを、給料や休日よりも優先するべきだとのたまって、低賃金で労働させようとするブラック企業の介護施設は少なくありません。
やりがい搾取を使用とするブラック企業に関しては、
で詳しく述べているので、注意するようにしましょう。
仕事にやりがいを求めるか、求めないかは個人の自由
仕事にやりがいを感じることができ、その上でやりがいに見合った給与とプライベートをの楽しめる時間が得られるのが一番です。
しかし、仕事にやりがいを感じることができなくても、プライベートの時間を楽しむために働くことも間違っていません。
特に最近は、プライベートを大切にする人が増えているので、仕事に関しては生活費を稼ぐことを目的としている事の方が一般的になっています。
また、給与よりも休日数の多さや、残業の少なさを意識する人が増えていることからも、特に自分の時間の充実を大切にしている傾向があると言えるかもしれません。
あなたが、その流れに合わせる必要はありませんが、一方でやりがいを重視する価値観に合わせる必要もありません。
介護の仕事に対して、どのように向き合って働いて行くかは、あなたの自由です。
介護の仕事を少しでも好きになり、やりがいを感じれるように働きたいと思ってもいいと思いますし、仕事と割り切り、プライベートを充実させることに意識して働くのもいいと思います。
仮に介護職の仕事にやりがいや、楽しさを感じることができなくても、介護の仕事を続けることは悪い事でもありません。
むしろ、そのような気持ちを抱えながら働いている人は少なくありません。
仕事と割り切って、その上で人生を楽しむ……決して否定などされない働き方になので安心して、働きましょう。
ただし、価値観の押し付けはトラブルのもとになるので、あなたの働き方を誰かに押し付けることは止めましょう。
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