本来支払われるべき日に、介護施設から給料が支払われなかったら、施設に対して不信を感じることは決して間違っていません。
仮に後日、給料が支払われたとしてでもです。
もし、「今回はたまたま、期日に支払われなかっただけか」と納得するのでしたら、少々危機管理ができていないと言えます。
給料の遅滞は、経営者が絶対にしてはいけない行為の一つになります。
なぜなら、労働に対する対価である給料を支払わないというのは、労働者に対する裏切り行為だからです。
仮に給料を支払ったとしても、給料が期日に支払われなかった不信がとてつもなく大きいと予測するのが、普通の経営者です。
それをやってしまったということは、それだけ経営が追い詰められているか、内部の体制がずさんだと表していると言えます。
もし、今働いている介護施設で給料遅配が起こっているのでしたら、一度今の職場の状態を客観的に見つめ直してみるべきです。
ココに注意
給料日に給料が支払われないことは、企業側にどんな理由があるにしろ、本来はあってはいけないことです。
それが起こった事に関して危機感を持ってください!
倒産しそうな介護施設なら逃げ出す
利用者の数が少なく、消耗品を十分に補充することがきなかったり、壊れた備品を買い直すことができない、残業代が支払われない……明らかに赤字で、施設が運営するための体力が残っていないような状態に見えているのでしたら逃げ出す事を考えましょう。
ましてや、給料の支払いが遅れたり、未だに給料の支払いを待って欲しいと言われているのでしたら、あなたが働いている施設は倒産寸前と言えます。
仮に遅滞が起こりながらも給料を支払って貰えるといっても、自電車操業業態になっていて、今月の売上だけ、または銀行からの借入金でなんとかしている可能性もあります。
それだと、いつか破綻する可能性が非常に高いです。
泥船に乗ってしまっていると自覚して、一緒に沈む前に転職する事を考えて下さい。
自分が退職したら、この介護施設に致命傷を与えてしまうのではないか?
と思って、退職したくても退職できない等と思ってはいけません。
介護職員個人が、そのようなことを考えさせてしまっている時点で、その介護施設に将来性などほとんどありません。
あなたが辞めなくても、他の介護職員が辞める可能性も高いはずです。特に給料面に不信を感じるようになれば、普通の労働者は辞めることを前提に考えるようになります。
もし、自分が辞めることに対して責任を感じて辞められない状態になってしまうと、他の介護職員辞めてしまって、1人にかかる仕事の負担が更に増えたら、あなたは更に辞めにくいといった心理状況になってしまいます。
そうならないためにも、1人の労働者として、自分の勤めている職場に対して、シビアな判断をする事も大切です。
ボランティアで介護職をしている訳ではないことを自覚しましょう。
倒産しそうな介護施設が持ち直す可能性はないのか
介護施設が倒産する理由としては、利用者が少ないことが一番の原因だと思いますが、それ以外にも設備を維持して行く資金の見込みが甘かったりなどの、コスト面の管理ができなかったなどが挙げられます。
また、利用者が少ない事に関しても、施設側がオープニング時に周辺地域の住民にアピールできなかったり、介護サービスの質が悪いといった理由もあると思います。
そうなると挽回することは非常に難しいです。
入居者を斡旋しているネットのサービス等を利用するにしても、結局は紹介料を支払う必要があったりするので、倒産ギリギリの施設が取れる選択ではないと言えます。
メーカー会社のように、新商品で一発当てるといった挽回方法は、基本的に介護施設にはないのです。
欲も悪くも信頼と介護サービスの質の高さ、そしてターゲットにしている利用者に所得に見合った料金を提示できているか……このあたりを失敗したり、見誤ると、持ち直すことは難しいと言えます。
もちろん、絶対にないとは言いませんが……そんな可能性に期待するよりも、さっさと他の介護施設に転職した方が良いと思いませんか?
後は、今あなたが働いている介護施設を運営している企業が、他の介護企業に買収されることで、持ち直すケースは少なからずあります。
私の親戚は、登録型訪問介護のヘルパーをしていますが、その方は別の訪問介護の事業所に登録したわけでもないのに、買収が1回どころか、何回かされて、その度に福利厚生が向上したり、会社からのタブレット端末の支給などで働きやすさも改善されているそうです(笑)
ただ、その人の場合は給料が支払われないといった不利益など被らず、気づいたら買収されて、所属している派遣企業の社名が変っているといったケースになります。おそらく、給料の未払いや遅滞があったら、他の事業所に登録していたでしょう。
そのため、既に不利益を被っているのでしたら、持ち直したり、買収されることにかけるのではなく、さっさと転職した方がメリットがあると思いますよ。
責任感から逃げられない介護職員が多すぎる
ここまで私が逃げ出すことをオススメする理由としては、介護職員に限らず、介護業界の人は真面目な人や責任感、そして社会貢献性に縛られて、ブラック企業から逃げ出す事ができない人が非常に多いからです。
私の知人から聞いた話では、介護企業では数カ月に渡って給料遅配が起こり、それでも辞めずに働いていた正社員、パートの方達のおかげ会社が存続していたこともあったそうです。
この会社は、最終的に買収されたそうなので、結果的には良かった……のかどうかは判断できませんし、知人も詳しくは知らないそうですが、仮に倒産してしまったどうしたんだろうかと思っています。
そこまで給料が支払われなかったのでしたら、会社に貯えなどないはずですから、未払いの給料が支払われなかった可能性だってあったはずです。
他にも、給料未払いとは少し違いますが、残業代が全く支払われない職場で我慢して働いていたり、休日手当がでないのに出勤して働いているような介護職員の方も決して少なくないのが介護業界です。
賃金が支払われない労働が発生している時点で、企業側は違法ですし、その時間帯は介護職員は労働者ではなく、ボランティアの人になっている人とも言えます。
明らかに健全な職場環境ではありません。
しかし、それで介護を必要としている利用者のために働いているという社会貢献性に対して責任を感じたり、介護施設に問題があることは利用者には関係と思うことで、真面目に介護サービスを提供する介護職員の方は多いです。
介護士としては、とても高い志を持っているとは言えます。しかし、会社からしたら単なる都合の人と言えます。
私自身も介護業界で働いているから分かりますが、介護業界で働く人、特に現場で直接利用者と働く人は、単純に生活のためにお金を稼いでいるだけで働いている人は少ないです(生活のためだけに黙々と働いている人を悪く言っている訳ではないよ)。
社会に必要とされている仕事ができていることに、やりがいを感じる。
利用者の方にありがとうと言われると嬉しくなる。
病院から早く施設に戻りたいという話を聞くと、自分達と過ごしている時間を楽しんでくれいるんだと思えて嬉しくなった。
私は、上記のような話を誇らしげに、そして楽しそうに働いている介護士の方と何人とも話してきました。
だからこそ、このような人がブラックな職場に飛び込んでしまったら、自分のことよりも他者を優先してしまうのだろうとも思ってしまいます。
介護の仕事は、お金以上のやりがいをもたらしてくれる仕事でもありますが、だからこそ真面目で、社会貢献したいという優しい人程にブラックな職場や倒産しそうな職場から逃げ出せないのです。
介護士として働き続けることが最大の社会貢献
1日でも長く介護の仕事に従事することが、最大の社会貢献であると私は思っています。ブラックな職場や倒産しそうな介護施設で、体と心を酷使して働いたら、介護士として働けなくなる可能性もあります。
また、介護の仕事を嫌いになってしまうリスクだってあります。
労働者として働き、正当な賃金を貰う。だからこそ、やりがいを持って働けるのです。
そのバランスが崩れたら、好きだった業界、仕事に対して不信、不安、不満が爆発的に積もって行き、続けるモチベーションなど無くなって行きます。
責任感で無理に続けても、どこかで限界はありますし、職場自体が限界に達して潰れることもあります。
その際に一緒に潰れてしまわないようにすることもで、介護業界で働いて行く上で大切な事です。
そして、労働者として生き残って行く上でも大切な判断力でもあります。
介護士はボランティアではなく、労働者であることを忘れず、自分の仕事誇りを持ち、その仕事に対して正当な代価である給料を、しっかりと支払って貰える職場で働きましょう!
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