特養に就職・転職して後悔する人はけっこういらっしゃいます。特に新卒の人や未経験者の人よりも、他の介護施設から転職してきた人に多いかもしれません。
・仕事が忙しすぎる
・人手不足
・利用者の人達1人1人としっかりとコミュニケーションが取れない
・ユニットケアに戸惑を感じる
特養に就職・転職したことで後悔している人の不満点としては、上記の項目が多いです。もしかしたら、あなたにも当てはまっている点があるのではないでしょうか?
要介護度が高い人が中心になる
特養の特徴としては、基本的に要介護度が高い人が中心になる点です。
そのため、自分で歩く事ができない人や寝たきりの人も少なくないです。
そのため、グループホーム等と違って、生活支援ではなく、身体介助の仕事が中心となります。
また、従来型、ユニット型問わずに介護をする利用者の数は多いので、コミュニケーションをしっかりと取りながらの介護よりも、いかに素早く時間内に必要な介護をしてくかといった能力も大切になります。
その上で、余裕が出てきたら、コミュニケーションの時間が少し取れるようになってきます。しかし、それでも他の介護施設に比べれば、時間に追われやすいと言えます。
また、要介護度が高い人が中心になるので、会話があまりできない利用者も多い点も、介護職として働く人にとっては、働き続けることに不安を抱えることに繋がることもあるかもしれません。
一方で、要介護度が高い人が多いので、自身の介護技術を磨く上では、この上無い職場と言えます。
特養で仕事の経験を積んでおけば、忙しさという点に関しては、他の介護施設に転職しても戸惑うことは少ないと言えます。
特養は人手不足になりやすい
やはり、特養は離職率が高いです。激務なことによる体力の限界から、介護士として、もっと利用者と対話できる時間が欲しいと感じて転職する人も少なくありません。
そのため、人の入れ替わりが多い職場と言えます。
一方で、正社員として出世して行く事を考えているのでしたら、介護施設の中で特養がオススメだと私は思っています。
施設にもよりますが、比較的に特養は給料の水準が高い傾向があります。
初任給に関しては、他の介護施設と大きな差はありませんが、利用者が多く、介護職員の数も相応に確保する必要があるとなると、施設長以外にも、ユニットリーダーや介護主任・副主任といった役職が設けられていることも珍しくありません。
特養の介護主任や施設長となると、勤続年数10年を超えると、年収450~500万円、またはそれ以上の待遇で働けることもあります(ブラック企業除きます)。
その代わりに、責任も重くなりますし、仕事量も増えるので注意が必要と言えます。
それでも、介護士として定年まで働く事を考えている人でしたら挑戦していくことは避けないべきと言えます。
それだけの見返りはある役職と言えます。
ココがおすすめ
介護士として成長していきながら、出世を目指し、年収を上げて行きたい人にオススメ
介護中心の仕事が好きな人にはオススメ
利用者一人一人との対話や、レクリエーションを沢山して利用者を楽しませたいという人にとっては、特養は少しオススメしにくいです。
一方で特養はそもそも要介護度が高い人が多いので、周りに頼らないと生きていけない人も多いです。
だからこそ、日々の介護は、利用者にとってかけがえのない物ですし、介護職員の方に感謝もしてくれます。
介護を通して利用者の体調がよくなったり、表情が明るくなってくれることにやりがいを持てる人はオススメと言えます。
また、レクリエーションで楽しませたり、一人一人としっかりとコミュニケーションをとる事よりも、必要な介護を淡々とこなす方が精神的に楽という人にもオススメです。
そして、身体介助をする機会が多いからこそ、前述したように他の介護施設よりもスキルを磨けると言えます。
そのため、介護士として素早く成長して行きたい人にとってもオススメです。
特養から転職したい人へ
特養から転職することは悪い事ではありません。
しかし、他の施設だったらケアが楽だろうという気持ちで転職することは、あまりオススメしません。
確かに特養は身体介助の比重が重く、体力を使いますが、グループホームなどになると、要介護度が低い人が多い代わりに生活支援が中心となり、レクリエーションの頻度が回数が増えたりします。
そのため、頻度の多いレクリエーションや行事に頭を悩ませたり、準備のために残業に追われる介護職員の方もいらっしゃいます。
介護付き有料老人ホームなどは、施設によって平均要介護度は変わってきます。
また、介護施設によって介護に対する理念だったり、職場のルールなども違ってきます。
新しい職場に行けば、仕事量、働き方の違い、人間関係、ルールの違いなどから、最初の内は何処も疲れます。
もし、特養に就職・転職したばかりで辞めたくなっているのでしたら、仕事に慣れるまで、もう少し頑張ってみてもいいと思います。
しかし、介護に対する価値観の違いだったり、今の職場ブラック過ぎるなどの理由があるのでしたら、転職した方がいいこともあります。
すぐに転職した方がいいのか、もう少し頑張ってみた方がいいのか、よく考えた上で行動するようにしましょう。
そうすれば、後悔するリスクも下げることができるはずです。
特別養護老人ホームは地域によっても忙しさや仕事内容が変るのか
特別養護老人ホームは、基本的に要介護度が高い人が多く、受け入れられる人数も多い構造をしています。また、入居費も抑えられるので、申し込みも多く、待機者も決して少なくないです。
しかし、その傾向が強いのは需要がある都市部よりになります。
逆に、地方の田舎になると、全部ではありませんが、入居者がスカスカなこともあったります。
そうなると、要介護度が低い人も受け入れるようになります。
そのため、意外かもしれませんが、職場次第では思ったよりも仕事が楽……という抱くことになる介護職員も少なからずいらっしゃったります。逆に、激務を覚悟して入社した人にとっては肩透かしになるとも言えますが。
どちらにしても、やはり入社する前に職場見学などで、しっかりと職場を調査することが大切ということです。
また、介護職員だけではなく、利用者の入れ替わりも決して少なくないので、楽だった特養に沢山の入居者が突然くるということもあります。
そのため、結局は特別養護老人ホームに仕事量の少なさを求めるべきではないです。
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