介護職員として転職する際に、給料・時給よりも重視する人も多いのですが、同じくらい、下手したらそれ以上に重視することがある項目になるのが、職場の雰囲気と介護職員同士の人間関係の良し悪しになります。
正社員として出世を考えている人の場合は、将来を考えると、何よりも収入に関わる昇給などを優先せざるを得ないこともありますが、一方でパートの方だったり、共働きとして出世するつもりが無い人の場合でしたら、一緒に働く他の介護職員と良好な人間関係を構築できるかどうかの方が重要と考えることも間違ってはいないと言えます。
特に扶養控除の範囲内となると、1年で稼げる金額も決まっているので、長期的働くことを視野に入れるなら、人間関係に悩まされなずに働けることを一番重視するのは当然と言えるかもしれません。
人間関係に悩まされない職場を見極めるためには
働いてみないことには、自分の性格に合う人がいるかどうかは分かりません。
ただし、ブラックな環境の職場だと、人間関係が悪い事が多いです。
理由は簡単で、人手不足+待遇が悪い+不必要な身体拘束などしている……といった環境下の下で、ピリピリせずに働く事ができるか? といったら、普通に考えて無理だと言えます。
そのため、人間関係が悪くなりそうな、人手不足が深刻な職場だったり、待遇が悪すぎる職場は除外するべきです。
待遇よりも人間関係を優先! と決めることはいいですが、待遇が悪い場所程に、人間関係が悪くなりやすいので注意してください。
後は、前述したように身体拘束をしている利用者の数なども調べておきましょう。
詳しくは
で述べていますが、身体拘束は極力避けられる最終手段の一つになります。その身体拘束が施されている利用者が多い職場というのは、健全な職場とは言えません。
見学時に、働いている介護職員の口調だったり、忙しさを見る際に、利用者の身体拘束についても確認しておくことを忘れないようにしましょう。
施設長の人柄はしっかりと確認する
人間関係に悩まされない介護施設で働く上で非常に大切になるのが、施設長になります。
派閥が作られないように、そして介護職員同士が仲良く、そして協力し合える職場にするには、施設長のコミュニケーション能力・人柄が特に大切になります。
そのため、施設長との面接の際に、どのような口調で、表情で、自分にどのような質問をしてくるのか、そして自分からの質問にしっかりと答えてくれるか……施設長として信頼できる人かあなたの目で見極めて下さい。
言葉遣いから自分を見下していたり、離職率だったり、残業時間といった聞きにくい質問をはぐらかさないか、表情が冷たくないか……しっかり確認してください。
もし、一緒に働けるような施設長と思えないのでしたら、仮に内定を貰っても断るようにしましょう。
施設長は、何かあった時に、施設内であなたを守ってくれる最後の砦とも言える人になるのですから、信頼できない人の職場で働く事は避けましょう。
派閥があると何が問題なの?
施設長本人が派閥を作っていたり、古参のお局様が派閥が作っている場合も問題点は、新人や中途の人達に対してイジメをしたり、仕事に協力をしないといった行動にでる可能性が挙げられます。
なぜそのようなことをするのかと言えば……自分達が偉そうに、そして自由に仕事をするためです。シフトに入る介護職員の数は決し多くはないです。
そのため、派閥が構築されたら、その派閥抜きでは施設が回らなくなる可能性があります。そうなれば、シフト面でも働き方でも我儘し放題になります。
一度そのような環境に慣れたら、手放したくなくなります。
だからこそ、人の入れ替えなどで派閥が壊されることを嫌いますし、外部の人間が自分達独自のルールに文句を言ったり、無視することを嫌います。そのため、新人介護職員や中途の介護職員を阻害するような態度をとることもあります。
最終的には人手不足になって職場が回らなくなったり、大ゲンカに発展したりして、職場が崩壊する……といった結果になることもあります。
聞いた話では、施設長が派閥を作り、それに耐えることができなくなった派閥に所属していない介護職員が全員辞めて、施設運営に重大な支障を出した施設もあるそうです。
ここまで聞くと、企業の経営者や幹部は対処しないのかと思うかもしれませんが、施設長が派閥を作っていれば、そもそも自分が派閥を作っていることを知らせませんし、当人ではなくても、面倒事を避けて報告しないこともあります。
仮に気づくことができていても、派閥の全員に抜けられたら、施設運営ができなくなったら対処もできません。
だからこそ、長期的は働く職場を探す場合は、問題のある派閥が作られないような介護施設にしっかりと就職する必要があります。
そのためにも、面倒とは思わず、施設長の人柄だったり、職場の雰囲気などもしっかりと確認した上で入社する職場を決めて下さい。
介護業界に特化した転職エージェントを利用する
職場の雰囲気などを知るなら見学が一番ですが、その前に介護業界に特化した転職エージェント等を利用して、条件の良い求人を紹介して貰い、転職エージェントのスタッフが足を運んだ際の職場の雰囲気や管理者の人柄なども聞いておきましょう。
特に派閥のようなものがないかは事前に確認しておくことが大切です。
もちろん、外側から得ただけの情報では絶対の判断はできませんが、それでもリスクを落とすことはできると思います。
どちらにせよ、転職エージェントのスタッフに待遇の良い求人を紹介して貰えれば、待遇面の悪さによって引き起こされている可能性がある人間関係のギスギスした雰囲気は防ぐ事ができると思います。
もし、本気で人間関係が良好な介護施設で働きたいと思っているのでしたら、
上記で紹介している転職エージェントを参考にして頂ければ幸いです。
訪問介護のヘルパーとして働く
介護職員同士の人間関係が辛いのでしたら、訪問介護のヘルパーとして働く事も考えてみてはどうでしょうか?
1人で介護と生活支援のサービスを提供することになるので、他のヘルパーとの人間関係は非常に薄くなります。
その代わりに、利用者との人間関係は濃くなりますが、派閥からイジメや嫌がらせを受けることがなくなるので、精神的に楽と言う人も少なくありません。
働き方の選択肢の一つに考えてみてもよいと思います。
ただし、正社員として働く場合は、非常勤の方の穴埋めをすることになったり、訪問介護をしたことない人のために勉強会や研修の担当を任されることもあります。
他にも、非常勤のパートと利用者の方とのトラブル解決などに尽力したり、利用者のケアマネージャーと話し合ったりなどもあります。
そのため、他のヘルパーなどとの人間関係が薄いのは、あくまでも登録型のヘルパーとして働く場合に限るので注意してください。
人間関係が原因で転職することは甘えと思われないか
人間関係の悩みなんて、どんな職場でもある。人が入れ替わるごとに新しい人間関係が形成されるのだから、ずっと自分の好きな人間関係が続くわけがない。
だから、自分が働きに行きにくい人間関係が形成されただけで転職するなんて……社会人として甘えているだけじゃないのだろうか?
………上記のようなことを考えてしまったり、他の人に言われてしまって、
「人間関係が原因で転職なんて本当にしていいのか?」
と悩んでしまっている人もいらっしゃると思います。
残念ながら、これに関してはあなた自身で判断するしかありません。
このページに関しても、あなたの周りの意見も参考程度にして、あなた自身の目で転職するべきか職場かどうか判断してください。
特定の個人から少し嫌われている程度で、仕事上は問題ない程度なのか、それともイジメや嫌がらせがあるような仕事をする上で重大な支障があるかで、同じ人間関係の悩みでも深刻さは全く違います。
私個人の判断方法としては、あなたがこの先ずっと働き続けることができる職場なのかどうかという点を基準にして転職するかどうか決めるとよいと思います。
特に正社員の人は、定年まで働き続けることを考えている人もいらっしゃるはずです。
5年、10年先といった将来を考えながら、今の職場のまま出世しながら働き続けることができるのか考えてみましょう。
もし、無理だと感じたのでしたら、自分の職歴や介護士としての能力も考えながら、どのタイミングで転職した方がいいのかを考えましょう。
今すぐに転職できる人もいれば、多少我慢してでも数年を目途に他の介護施設に転職した方がいい人など、人によって状況も違うと思います。
もし、今のキャリアでどの程度の職場に転職できるのか分からないのでしたら、前述した介護業界に特化した転職エージェントを利用して、担当のスタッフと相談してみて、あなたのキャリアで転職できる可能性のある求人を紹介して貰ってもいいと思います。
ここからは、私の個人的な意見になりますが、私自身は人間関係で転職することを甘えとは思っていません。
施設長や派閥などによるイジメや無視といった環境があるなら、素早く逃げなければ体調を崩したり、うつ病になったりする可能性がありますし、大多数の方も転職を勧めるでしょう。
また、仮に特定の個人から嫌われている程度でも、どのような人に嫌われているかによっても話は変わるはずです。
例えば、仮にイジメや嫌がらせがなくても、施設長やエリアマネージャーなどと性格が合わずに、どんなに頑張っても正当な評価をされなければ、正社員の方の場合は出世できない可能性があります。仮に仕事自体は問題なく毎日こなすことができ、他の介護職員と上手くやりながら仕事ができても、出世を目指す人なら転職するべきと言えます。
人間関係が原因で転職することを甘えか否かを考えるのではなく、転職しない場合のデメリットとメリット、転職した場合のメリットとデメリットを、将来性、健康面、待遇、働きやすさといった思いつく項目ごとに吟味した上で転職するか否か決めましょう。
周りに意見に振り回されたり、人間関係による転職は甘えなどと決めつけずに、どうするのが一番自分のためになるのか、周りの意見を冷静に聞きながら、自分でもよく考えて結論を出してください。