軽度の知的障害を抱えながら介護職として働く事は可能です。ただし、あなたの抱える知的障害が、どれくらい軽度なのかを推し量ることは、私にできません。
そのため、知的障害を抱えながらも介護職員として働いている人がいることから、「可能である」としか述べることができません。
もし、本気で介護職員を目指す気持ちがあるのでしたら、まずは介護職員初任者研修の資格取得を目指すことをオススメします。
介護職員初任者研修の資格は、実際に介護職員として働いた経験のない人でも取得する事ができます。一方で、介護職員初任者研修の資格は、資格手当の対象にしている施設が非常に多く、介護職員として働くなら取得しておきたい資格でもあります。
そのため、介護職員初任者研修の資格を取得できるのでしたら、絶対とは言えませんが、十分挑戦してみる価値はあると思います。
なお、介護職員初任者研修の合格率は非常に高く、追試もあるので、ほとんどの人が合格する資格になるので、取得できない場合でしたら……厳しいことを言えば考えなおした方がいいかもしれません。ただし、資格が取得できなかったからといって、やはり絶対に介護職員として働けないわけではないので、挑戦前から諦める必要はないかもしれません。
一般雇用か障害者雇用かどちらを選ぶべきか
軽度知的障害者を抱えながら働く人にとって、悩ましい事の一つが一般雇用か、障害者雇用のどちらを選ぶかになると思います。
障害者手帳がないのでしたら、一般雇用で働くしかありませんが、障害者手帳があるのでしたら、選ぶことになります。
障害者雇用として働く事のメリットとデメリット
障害者雇用の介護職員として働く事のメリットは、職場から配慮して貰える点になります。
配慮の具体的な内容としては、やはりゆっくりと仕事を覚えていけること、介助の際に周りが目を配らせてくれていることが多い点と言えます。
職場にとって一番怖いのが、事故になるので、普通の未経験者の方よりも時間をかけて仕事を教えてくれると思いますし、仕事のサポートも手厚くなると予測できます。
仕事を一つずつ覚えて行きやすく、「何をすればいいのか?」、「どうすればいいのか?」といった際に周りから助けて貰いやすいので、精神的な負担も軽くなると言えます。
また、勤務時間に関しても配慮して貰えることが一般的です。具体的には、時短勤務からのスタート、出勤時間や退勤時間の融通、少ないシフト回数からの様子見……あなたの体と心の負担を考えながら働けることも多いです。
デメリットとしては、採用されにくい事と、給与面で一般雇用の人達よりも低い点が挙げられます。
介護施設は、人手不足ですが、一方で障害者を雇う事で職場の負担が重くなるのではないかという不安から、採用に前向きではないことも珍しくありません。
また、障害者雇用の枠は少ないので、競争率が高くなることもあります。
そのため、応募できても、なかなか採用されないという事も覚悟する必要があります。
後は、給与に関しては一般雇用と比べると大幅に下がると思ってください。そして、介護職員の初任給そのものが低い傾向があるので、残念ながら一人暮らしできるような給与が最初から貰えるとは思わない方いいがいいです。
給与を上げて行くには、どうしても一般雇用の方とほとんど同じように働けるくらい……それこそ障害者雇用として働く必要がないくらいになること覚悟するべきかもしれません。
一般雇用のメリットとデメリット
一般雇用として働く事のメリットは、障害者雇用と違い、給与が低くなることがない事と、応募できる求人が非常に多い点が挙げられます。
自分が軽度の知的障害者であることを面接で伝える義務もないので、軽度でも知的障害者であることを隠すなら、伝えずに面接に挑みましょう……というよりも、一般雇用の面接で自分が障害者であることを伝えたら、絶対ではありませんが、ほとんど落とされることを覚悟する必要があるので注意してください。
面接が苦手な人の場合でしたら、家族や友人などに練習に付き合って貰ったり、ハローワークなどで時折開催されている模擬面接などを利用しましょう。
障害者であることを隠して面接を受けるのですから、健常者の人達と同じ土台に立って、面接で比較されることを忘れないでくださいね。
ただし、介護業界は人手不足の業界でもあるので、面接でしっかりと受け答えができ、問題を起こさなければ、採用される可能性は決して低くないと思います。
デメリットとしては、障害が配慮されない点です。障害を隠しているのでしたら、当然と言えます。
一般雇用の人達と同じように働く事が求められますし、同時期に入社した人がいれば比較されることもあります。
仕事の覚えが悪く、周りに迷惑を掛けてしまう機会が増えれば、風当たりが冷たくもなります。
そのため、障害を覚悟して一般雇用として働くのは、相当の覚悟が求められることを忘れないでくださいね。
仕事が全く覚えられず、会社側が必要な教育は配置換えを十分したと認められたら、解雇される危険性もあるので、「採用されたらどうにでもなる」とは思わないくださいね。
また、仕事がなかなか覚えることができず、周りの人達との人間関係がギクシャクして、二次障害としてうつ病を発症させてしまった人もいらっしゃいます。
そのため、無理だけはしないようにしてください。
もし、無理だと判断したら、早々逃げることも大切であることを忘れないようしましょう。
一般雇用として働く覚悟は相当のものですが、しかし、だからこそ頑張り過ぎて壊れてしまう人もいるので、もし一般雇用として働くなら、覚悟だけではなく、自分に優しくすることも忘れないようしてくださいね。
なお、一般雇用として挑むなら、やはり最初に述べたように、介護職員初任者研修の資格などを取得できるか挑戦してからをオススメします。
ただし、あくまでも私の個人的な意見になるので、絶対ではないので、あくまでも参考程度に留めてくださいね。
ブラック企業に就職しないようにする
一般雇用を目指す場合でも、障害者雇用として働く事を目指す場合でも、ブラック企業に就職することだけは避けるように警戒してください。
軽度の知的障害の方でも、就職するためのハードルは決して低くありません。
そのため、就職することをゴールだと思って行動してしま人もいらっしゃいます。
その結果として、ブラック企業か否かという調査に手を抜いていてしまったり、ブラックな香りがする企業であることに気づいても、「とにかく働きたい」という気持ちから就職してしまう人もいらっしゃいます。
絶対にブラック企業に就職してはいけません。また、仮に就職してしまったら、すぐに逃げてください。
健常者の人でも鬱病になったり、体を壊す、または耐えきれずにすぐに逃げ出すのがブラック企業です。
二度と働けなくなる程にボロボロになってまで、「一度は就職できた」という経歴を残しても意味はありません。
就職がゴールだと思い込まずに、長期的に働き続けることができる介護施設に就職してください。
介護施設は、一般雇用に絞っても、長期的に働ける職場を探すのには難航しますが、介護業界に特化した転職エージェント等を利用して優良企業の求人をどうにかして探してください。
障害者雇用の場合でしたら、障害者雇用に特化した転職エージェントもありますし、就労移行支援事業所といった障害者に職業訓令と求人を斡旋してくれる支援機関もあります。
上手く利用して、あなたにとって働きやすい職場に就職できるようにしましょう!