介護施設ごとの競争は激化しています。
特にデイサービスは、日帰りのサービスになるので、比較的に介護施設の中では個人から法人まで参入しやすいので、競争が激しいと言えます。
そうなると、他のデイサービスとどのように差別化して、利用者に選んで貰えるかが大切になってきます。
そこで最近目立つのが、娯楽に力を入れた、「利用者を楽しませる」のに特化したデイサービスになります。
代表的なカジノ形式のデイサービスと言えます。
デイサービスの職員がディーラーとして利用者の方とポーカーやブラックジャックなどで施設内のみで使用できるコインをかけあって勝負をして楽しむ介護サービスになります。
それって介護サービスなの? って思うかもしれませんが、心身機能を維持・向上していく事を考えると、利用者が楽しむことができ、疑似ギャンブルに本気で遊ぶことが刺激になり、認知症などを予防を期待することができます。
途中で機能訓練指導員の監修のもとで、体操などをすれば、とりあえずは身体機能面の維持・向上のサービスを提供していることにもなります。
また、カジノ形式以外にも、マーシャン、パチンコ、ゲームセンターに設置されているメダルで遊べる遊具などなど導入している介護施設もあります。
もちろん、どれも実際お金をかけているわけではなく、デイサービスの時間内で施設内のみで使えるコインなどで競い合って楽しむなどにとどまります。
それでも、施設の他の仲間たちとワイワイと楽しめるのは、利用者にとって非常に魅力的と言えます。
実際に人気も高いです。
普通のデイサービスだと、要介護度がバラバラだったりするので、幼稚園の子供や小学生の低学年の子度がするようなレクリエーションを用意されることも決して珍しくないので、しっかりと自立して生活できる高齢者の人にとっては退屈で仕方ないという側面もあったのです。
だからこそ、そのような高齢者の方に向けたサービスとして、娯楽に特化したカジノ形式などのデイサービスが人気になっているのです。
ただし、最近は娯楽に特化したデイサービスを規制する方向で進めている自治体も増えています。
税金を使っているからこそ自治体も慎重になっている
デイサービスを利用して利用者のほとんどは、介護保険が適用される限度内で利用しています。
そのため、デイサービスの売上は国民の税金になります。
そして、問題なのは税金が使われているデイサービスの施設で、お金が賭けられてはいないとはいえ、カジノ、パチンコ、メダルゲーム、麻雀による介護サービスを提供させていいのか? という話になってきます。
デイサービスを通して、利用者が笑顔で遊べることは、利用者の認知症予防になるので、介護サービスとしては、私個人の意見とは間違っていないと言えます。
ただし、人によっては税金が使われていることを考えると、相応しくないと思ってしまう人もいるのです。
また、娯楽として使用される遊具を介護サービスの中心にしてしまうと、デイサービスの目的である心身機能の維持・向上の介護サービスなのか、単なる余暇を楽しんでもらうために提供しているサービスなのか判断しにくいとも言えます。
この辺りは、デイサービスの介護サービスが急激に変化し過ぎて、介護保険を支払っている人達が考えている介護サービスとのギャップができすぎていることが原因と言えるかもしれません。
これが、利用者の完全負担などでしたら問題ないかもしれませんが、やはり税金であるという点が大きな問題と言えるかもしれません。
そのため、住民と施設側のトラブルを防ぐためにも、自治体が規制することもやむを得ないのかなと思います。
余計なトラブルを避けるために、少しずつ介護サービスの変化を受けいれられるようにすることも、税金が投入されるていることを考えると、必要な規制と言えます。
とは言っても、それだと新規の施設は、他の施設と差別化できないです。
そのため、最近は高齢者の心身機能を維持・向上させることを自負できるような施設もでてきています。
スポーツジムのような設備を売りにしているデイサービスの増加
利用者を楽しませることに特化し過ぎると、介護サービスとして適切なのかという点を問われることもあることと、やはり更に差別化して利用者に選んで貰うために、心身機能を維持・向上させる事に特化する方面で力を入れているデイサービスも出てきています。
具体的には、スポーツジムのような設備を揃えたデイサービスになります。
今まではの施設だと、室内の運動設備は気持ち2~3個どこかの中古のマシンを購入してきた程度のことが多い傾向だったのですが、最近だと小さめのスポーツジムといっても過言ではない程に沢山のマシンを設置しているデイサービスも見かけることがあります。
他にも、商機と捉えてか、デイサービスといった介護施設に向けに、高齢者のトレーニングマシンを開発が増えているような気もします。
実際に、デイサービスによっては、最新の高齢者のリハビリテーションを目的としたトレーニングマシンを売りにしている施設も多いです。
また、そのようなトレーニングマシンを使うには、体の衰えから難しい人のために、体の負担が軽い集団エクササイズだったり、レッドコードといった天井に設置したロープに体を支えて貰って、安全にリハビリトレーニングできる設備を充実させている施設もあります。
デイサービスによっては、娯楽とリハビリテーションの両方に力を入れていることも珍しくありません。
リハビリテーションも、あまりにも高価な設備を充実させるのは、税金を投入しているデイサービスとして相応しいのかと言われと何とも言えない部分もありますが、一方で身体機能を維持・向上させることに成功すれば、要介護度が下がり、介護サービスの使用頻度も減るので、結果的に税金の消費が減るとも言えます。
どこまで許容するべきか否かは、やはり世論も考えながら調節していくべきですが、利用者が楽しむことができなかったり、身体機能を維持・向上の効果が薄い設備に落ち着かせてしまっては、今度はデイサービスの役割を果たすことができなくなります。
私個人としては、リハビリテーションに関しては、時代と共により良い最新機器やリハビリトレーニングが生み出されていることを考えると、デイサービス側に設備を整える資金があるなら問題ないのではないかと思っています。
寝たきりになって、介護サービスなしでは生きていけないような人が少なくなるなら、それにこした事はないでしょう。
個人的には、どのような施設がでてくるのが楽しみだったりもします。
デイサービスに対する監視は厳しい
利用者、利用者家族、そして介護業界に関わりのないサラリーマン、主婦の方、学生の方……といった人達が思っている以上に、デイサービスに対する国の監視は厳しかったりします。
事務の方面の仕事をあまりしない、現場の介護職員の方は、あまり知ることもないかもしれませんが、施設長や相談員、大手だとエリアマネージャーといった人達にとっては、市から定期的にくる実地調査を問題なくクリアするために、書類の不備がないように準備することは当然ですが、デイサービスとしての役割を果たした介護サービスを提供できているかもしっかりと確認されます。
また、書類だけではなく、施設内もしっかりと確認されます。最近は、予告なしの立ち入り調査も増えているので、事前に準備を整える事も出来ないケースもあり、施設側は普段から何時調査がきても大丈夫なようにすることも求められていると言えます。
それだけ行政側も介護報酬を支払っているデイサービスに対して監視を厳しくしないと、税金を支払って貰っている市民に顔向けできなくなっているとも言えます。
そして、施設側は不備があったりすると、最悪介護報酬の返還もあり得ます。そのため、デイサービスの運営に関しては、運営者側は厳格なルールに沿った運営と行政側が想定しているデイサービスとしての期待に沿えるように運営が求められていると言えます。
それができない施設は淘汰されていくのだろうと思います。
ただし、市によってもデイサービスに対する期待や監視の厳しさは違ってくるので、カジノ型のデイサービス等に対する規制も変わってくると言えます。
後は、行政も税金によって成り立っているので、市民からの声の部分も少なからず反映されて、規制に対する姿勢も移り変わる事もあると思います。
個人的には、デイサービスに対する規制や監視自体は今後も厳しくなって行くと思っています。
健全に運営されているか、適切な介護サービスが提供されているかについては、施設側に隠されないように、急な立ち入りも増えて行くのでしょう。
一方で、デイサービスの役割である心身機能の維持・向上といった方面のやり方に関しては、世論の流れをみながら、自治体がそれぞれ判断していくことには変わらないと思います。
個人的な意見を言えば、デイサービスとしての役割を果たしているのでしたら、色々な特徴を持った施設があった方が、利用者にとっては良いのではないのかと思ってしまいます。
楽しさだけを重視されても困りますが、デイサービスの利用者は楽しみながら心身機能の維持・向上できることを目的にしているのも事実です。
そのため、楽しませることを疎かにしている施設も問題がありますし、そもそも利用者が通ってくれないので、商売にもなりません。