介護業界は、競争が激しいですし、3年に1度介護保険制度が変るので、突然業績が悪化するような介護施設も少なくないです。
そして、業績が悪化して、赤字に転落した介護施設・事業所は、倒産を回避するために、介護職員の減給をしたり、大幅なボーナスカットに断行するようなケースもあります。
労働者の不利益変更は原則禁止されていますが、倒産する可能性を理由にされてしまった場合は、減給を拒否することは難しいですし、ボーナスカットも同様です。
昨年はボーナスで100万円ほど貰えていたのに、今年からは50万円、それどころかぼーナスの支払いそのものがなくなってしまった何てケースに陥ってしま人もいるかもしれません。
また、昨年と比較すると、給料が大幅に下がってしまって、毎月の住宅ローンの支払いが厳しくなってしまっている方もいると思います。
長年勤めていた介護施設を減給・ボーナスカットを理由に転職するか、それとも見捨てずに働きつづけるか……まずは転職活動を始めましょう。
転職しやすいのが介護士のメリットである事を忘れない
介護士は専門職になります。そして、即戦力になれる介護士を採用したい介護施設は沢山あります。
採用したい介護施設はブラック企業といった括りではなく、運営が上手く行っていて、待遇が良い介護施設も同様です。
介護業界全体で人手は不足しているので、資金力がある介護施設の方が、ある程度余裕を持って介護職員の数を揃えて、一定の介護サービスを維持したいのです。
逆にブラック企業や運営が厳しい施設の方が、人手を余計に増やして利益を減らすことを嫌い、ギリギリの人数で施設を運営しようとする傾向が強いです。
また、ユニットリーダーや介護主任、施設長といった管理職側に近づく程に、そのような経験を持っている人材は業界全体で更に少なくなるので、重宝されるようになります。
そのため、転職した直後から、介護業界から見たらかなり高い年収を用意してくれるケースもあります。
特養の介護主任や施設長として即戦力になれるなら、転職して実力が確認されたら、すぐに年収500万円前後になる事ともあります。
介護施設によっても職場のルールは異なってきますが、積み上げてきた介護士としての経験は、何処でも活かすことができるので、比較的に年収は下がりにくいのです。
そのため、今働いている介護施設の業績が悪化して、減給されたり、ボーナスカットで年収が大幅に下がるようでしたら、まずは自分の経験と資格で、どれくらいの介護施設に転職することができるのか確認してみることをオススメします。
具体的な方法としては、介護業界に特化した紹介会社を利用して、今の自分の経歴で応募できる求人の中で条件の良いものを探して貰って紹介して貰いましょう。
希望条件があるのでしたら、伝えておくと、スムーズに求人を見つけて貰う事ができます。
無料で利用することができますし、紹介会社の就職支援を受けたら応募しないといけないという強制力もないので、まずは転職活動をスタートさせましょう。
⇒ずっと働きたくなるホワイト企業が運営している介護施設を探す方法
給料やボーナスが戻ることはないのだろうか?
転職活動するのにも時間が割かれますし、実際に転職する決意をするとなると、時間だけではなく、面接を受けに行くことになるので体力の消耗もあります。
そのため、できる限り転職はしたくないと思っている方もいらっしゃると思います。また、今の職場の人間関係が良いことから、転職したくない人もいるかもしれません。
正直に言えば、一度大幅な減給やボーナスカットがあると、年収は簡単に戻らないと思った方がいいです。
給料を下げるというのは、企業からしたら労働者の信頼を失うリスクを覚悟しての行動になります。それだけ、追い詰められているとも言えます。
仮に、業績が少し回復しても、『いつ運営が不安定になるか分からない』といった状況を完全に払拭できるまで、減らした給料を元に戻すことはできません。
そして、介護業界は競争が激しいので、一度運営が低迷して、職員の減給などを断行すれば、他の職場に転職していく人が増えて、結局施設を維持して行く事ができなくなっていく可能性も少なくありません。
仮に人間関係が良い職場でも、去って行く人が増え、待遇も悪くなったら、否応なしに職場の雰囲気は暗くなって行きます。
沈みかねない船に乗り続けるのではなく、見切りをつけて転職することを考えた方がいいと思います。
ただし、起死回生の可能性としては、合併される……といった可能性もなくはありません。
介護業界は、競争が激しいことから、合併によって小規模な事業所や大手に吸収されることもあります。
そうなれば、合併した側の待遇が適用されるので、年収が回復、または増える可能性もありますが……現場で働いている介護職員が予知するのは、なかなか難しいことは覚悟してください。
要は、運頼みと思ってください。
ココに注意
大幅な減給・ボーナスカットは職員の流出と信頼の喪失というリスクを背負っての決定になります。それだけ介護企業側が追い詰められていると判断してください。
介護施設同士の競争はより厳しくなって行く
少子高齢化によって人手不足は進んでいますし、介護保険制度の変更によって、介護施設側は柔軟に制度が求める介護を施設に取り入れていかないと、売上を上げて行く事ができなくなってきています。
そのため、介護施設は人手不足を防ぐために、介護士が働き続けようと思える待遇を用意する必要がありますし、介護保険制度に求められる介護サービスを整えていく必要があります。
それには、資金が必要になります。
つまりは、資金力が少なく介護施設は利益を上げて行くことが難しくなっているのです。
そして、施設同士の勝ち負けがつきやすくなっていることから、一度業績が悪化して、すぐに回復することができないと、減給やボーナスカットをせざるを得なくなり、その結果として人は減り、受け入れられる利用者の数も制限されて、泥沼にはまって行きます。
逆に、業績が上向きの介護企業は、更に介護施設を増やして、待遇も整えて、優秀な介護士を確保して行くのです。
そのため、私達介護士側も長期的に働く事ができる、待遇の良い介護施設を見極めることが大切ですし、必要に応じて転職することが大切になります。
減給・ボーナスカットされて転職を考えない方が危険です
介護士は労働者です。
仕事内容のやりがいも大切ですが、労働者が働く一番の理由は、お金を稼ぐ事です。
そして、減給・ボーナスカットは労働者にとって報酬が減らされるという事です。業績の悪化が原因ですと、本来あなたの介護士としての実力と経験年数を考慮して貰える打倒な金額を下回る金額しから貰えない状態になっていると言えます。
つまり、働きつづける程にあなたは損することになります。
他の介護施設で働いていれば、貰えている給料を下回っているのですから、当然と言えます。
積み重ねれば、他の施設で働く介護士と数十万円、数百万円という所得の差が生まれる可能性もあります。
そして、前述したように、一度大幅な減給・ボーナスカットがなされた介護企業の業績が回復する可能性は低いです。
それなのに、実際に転職するかどうかは別として、転職活動で他の介護施設の求人などを探さないのは、危機感が足りないと言えます。
業績が悪化して待遇が悪くなれば、人が去って行き、仕事量だけが増えて行くので、職場はどんどんブラック化して行き、転職活動する時間を作るのも難しくなる可能性があります。
面倒と思わずに、危険な介護施設で働いていると感じたら、素早く転職活動をスタートするようにしましょう!