他業界への転職、結婚や出産による退職……理由は人によって違いますが、数年から十数年のブランク後に、介護職に復帰することを考えている人も決して少なくないと思います。
せっかく取得した資格を無駄にしたくない。介護職の経験があるのだから、復職して活かしたい。
ブランクがあっても、歓迎してくれる介護施設や事業所は非常に多いです。
そのため、介護職として働いた経験を活かして就職先である介護施設や事業所、病院などを探すことは難しくはないです。
気になるのは、資格や経験を評価して貰えるかどうかになると思います。
ブランクが長い事から、未経験者と同じような給料・時給からのスタートになったりしないか不安を感じる人もいらっしゃると思います。
はてな
介護士として離れていた空白期間が長い場合の過去の介護職の経験や資格はどのように評価されるのか
能力をしっかりと評価してくれる施設で働く
ブランク期間が長いとなると、やはり働いていた期間が長くてくも、経験年数に応じた待遇で最初から雇ってもらうことはできません。
ただし、資格に関しては、資格手当を設けている職場を選べば、給与に手当が付与されますし、時給にも加算があるはずなので、無駄になることはないはずです(試用期間中などは付与されない可能性もありますが)。
ブランク期間が発生する前に積み上げていた経験に関しては、能力を適正に評価して昇給させてくれる職場でしたら、復帰後の仕事内容を見ながら昇給してくれるはずです。
施設側としても、ブランク期間による能力の低下は、実際に働いてみて貰わないと見極めることができません。
そのため、面接時点で能力をしっかりと評価して貰えて、給与に反映される職場かどうか質問しておくことが大切と言えます。
ブランク期間が長いということで、未経験者と大差のない給与からスタートされて、能力面で再評価もないような職場で働くのは、せっかく過去に介護職の経験があったり、資格を持っていることを前提とするなら、そのような職場に就職するのは勿体ないと思います。
上手く仕事ができるか不安な方へ
経験があるからということで、すぐに周りからのサポートが無くなったり、経験者のように扱われたりしないかと不安を感じている人もいらっしゃると思います。
介護の方法や導入されている介護器具、パソコンにシフト作成・労働管理、事務書類の作成……ブランク期間が長い人程に、介護技術から雑務まで、やり方が変わっていることに戸惑う機会が増えているかもしれません。
管理職やケアマネージャー、事務職といった職種を希望している人の場合は、パソコンによる事務処理といった現場の介護とは違う部分で戸惑うことも珍しくないと思います。
そのような点を回避する方法としては、やはり復帰した介護職員の人が短期間で離職しないように、周りが気を配ってくれたり、研修の参加を促してくれる職場に就職することができるかどうかが大切になると言えます。
介護業界に特化した転職エージェントを利用して、復帰した人の離職率などを調べて貰った上で、就職すると安心できるかもしれませんよ。
即戦力として採用されないか
ブランク期間が長い人を即戦力として判断して採用することは少ないと思いますが、大半の介護施設は未経験者を採用するよりも大幅に速く即戦力になってくると思っていることが多いかもしれません。
どれくらいで慣れてくれるようになるかという期待は職場によっても異なりますし、あなたのブランク期間によっても変わると思います。
ただし、多かれ少なかれ素早く戦力になってくれるのではないかという期待を寄せて採用する管理者が多いので、多少のプレッシャーがかかる事は覚悟した方がいいかもしれません。
だからこそ、前述したように仕事に慣れまでの間、サポートしてくれるか、研修などは開催されているのか、どれくらいで慣れて貰えるのか期待しているのかといった面を確認しておく方が、気が楽になると思いますよ。
ブラック企業が多いという噂で躊躇っている人へ
介護業界はブラック企業が多いです。退職する前に働いていてたのでしたら、ある程度の想像はできるかもしれません。
しかし、昔と今なら少しずつですが、介護業界のブラック環境は改善されて行っています。
ネットの発達などでブラック過ぎる介護施設の評判は簡単に広がるのもありますし、前述したように介護業界に特化した転職エージェント等の存在から、容易に施設ごとの待遇を比較できてしまうからです。
そのため、待遇の悪いブラック企業には応募がこないので、否応なしに待遇は向上していっているのです。
ただし、嘘の求人を掲載するような悪質なブラック企業もあるので注意が必要です。また、資金がないことから、無料で求人を掲載できるハローワークの求人の中には、とんでもなく低待遇の求人もあります。
そのような求人に間違って応募して、働く事にならないようにしましょう。
ブラック介護施設に就職してしまった場合の危険性については、
で詳しく述べているので参考にしてみてください。
問題なのは、ブラック企業の介護施設かどうかの判断方法になります。
ブラックな環境を積極的に改善している施設も増えていると言いましたが、それでもブラックな職場は少なくありません。
そのため、介護士の方は、しっかりとブラック企業に就職するリスクを下げて、就職活動する必要があります。
ブラック企業かどうかの判断方法
求人から判断する方法としては、求人に記載されている情報が少なすぎないかどうかを注意してください。
正社員の人の場合でしたら、資格手当の有無、給与に残業代が含まれているのかどうか、明確な年間休日数、福利厚生が整っているかどうか、深夜業務の有無や残業の目安などです。
上記のような情報が全く分からず、どのような手当などが含まれているか分からない給与だけの金額や、年間休日数が分からない「週休2日制」というだけの記載、どれくらい残業があるのか分からない……このような求人に応募することは、控えることをオススメします。
パートの方の場合も、正社員の条件が記載されているのでしたら、判断材料として確認してみましょう。
優良企業程に、待遇面でアピールできる点が多いので、情報を沢山記載します。逆にブラック企業程に情報をだせないので、余計な記載をしないシンプルな求人になって行きます。
あくまでも傾向になるので、上記によってブラックかホワイトか明確に判断することはできませんが、リスクを考えるなら、シンプルイズベストの求人には注意することをオススメします。
また、求人で問題ないと思っても、面接時に施設長の人柄だったり、施設の様子を見学して判断する事も忘れてはいけません。
施設長の人柄に問題がありそうだったり、職場で働く介護職員の目が死んでいたり、言葉遣いが悪いといった気になる点があったらのでしたら、求人が魅力的でも入社を考え直した方がいいこともあります。
特に人間関係の悩みを抱えたくない人は、施設長の人柄や現場で働く介護職員の様子はしっかりと確認しておきましょう。
自分で判断する自信がなかったり、そのような時間を捻出するのが難しい人の場合は、先ほど述べたように、信頼できる転職エージェントを利用しましょう。
詳しくは、
⇒ずっと働きたくなるホワイト企業が運営している介護施設を探す方法
を参考にして頂ければ幸いです。
雇用形態で迷っている人へ
介護職員として働く上で、どのような雇用形態で働くか迷っている人もいらっしゃると思います。
介護職員として働くとなると、大まかに分けると、正社員、パート、派遣社員の3つに分けることができます。
出世を目指してガッツリと働くなら正社員がオススメです。一方で育児や家事との両立を目指して働くなら、パートから様子をみると良いでしょう。
シフトの回数も最初は少なくして貰い、残業や夜勤をしなくてもいい働き方できる職場を選ぶことをオススメします。
派遣の場合は、ブランク期間が長い状態から選ぶことは、あまりオススメしません。派遣は基本的に即戦力として働く事が求められ、その代わりに高時給として働く事ができます。
もし、派遣として働くなら、パートとしてある程度仕事に慣れた後に選ぶことをおススメします。
パートから正社員になれるかも確認しておく
パートとして就職することを考えていて、将来的に正社員として働く事も検討しているのでしたら、事前にパートから正社員になることも可能性が確認しておきましょう。
大手でしたら、パートから正社員の登用制度を整ていることが多いですが、それでも正社員の枠がないというケースもあります。
小規模な施設となると、正社員として採用する余裕が無いこともあります。
そのため、事前に確認しておくことをオススメします。
ブラック企業の場合だと、正社員にする体力がなく、かといって辞められるのを防ぐために、「あなたの仕事を見ながら適切な時期に正社員として雇用します」といった言葉で、パートとして働かせようとすることもあるので注意してくださいね。