3Kという言葉を耳にした事がある人は多いと思います。
・きつい
・汚い
・危険
この3つを合わせて3Kと呼びます。
当然ですが、良い意味で使うことはありません。過酷な労働環境の職種を指す際に使われます。
介護職の仕事を始めることを考えている人の中には、介護職は3Kという事を聞いて、本当なのかどうか、就職してもいいのかと悩んでいる人もいらっしゃると思います。
介護職の3Kとはどのような点を指すのか
介護職のどのような点が3Kなのかについて、個別に述べて行きたいと思います。
介護職のきつい点とは
賃金を貰って働いているのですから、例外はありますが、基本的に仕事はきついものです。
それでも、特に介護職の仕事がきつい言われるのは、利用者家族が自宅介護できなくなった認知症の高齢者の方のお世話だったり、寝たりきりといった要介護度の高い高齢者の身体介護など、体力面でも、精神面でも負担が重いことが挙げられます。
接客や販売の仕事が避けられやすいのは、お客様と直接接することから、気を遣って働く事が求められる点もありますし、時には直接クレームをつけられることなどが挙げられると言えます。
介護となると、相手は高齢者の方になりますし、要介護度の認定を受けているので、言葉遣いを厳しくしたり、イライラいした態度をとってしまったら、クレーム扱どころから、虐待の疑いをかけられることもあるので、普通の接客以上に注意が必要になるのも、精神的にきつい点と言えるかもしれません。
そして、一番問題が、仕事のきつさと待遇面が割に合わないと感じてしまう点です。
これで、給料が高いのでしたら、納得する人も多いのですが、介護職の給与水準は高くありません。
勤続年数と重ねて、介護技術を高め、出世していけば年収は上がって行くのですが、就職した直後は、基本的に他の業界よりも低い傾向があります。他業界から転職するとなると、大幅に給料が下がる事が多いです。
それに加えて、慣れない介護の仕事のきつさから、すぐに退職していまう人も決して少なくないです。
他業界から転職すれば給料が下がるのは当然なのですが、やはり慣れない介護の仕事のきつさは、想像以上に大きなストレスと疲労を与えていると言えます。
介護の仕事の「汚い」点とは
すでに想像は付いていると思うかもしれませんが、排泄介助、おむつ交換、入浴介助などがあてはまります。
介護の仕事をするなら、他人の排泄物を見ることは回避できませんし、対処することも求められます。
臭いも残るので、慣れるまでは、食欲が低下してしまう新人介護職員の人も少なくありません。
大半の人は、2~3ヶ月で排泄物には慣れると言われていますが、そこは個人差もあると思いますし、人によってはどうしても耐えられないということもあるかもしれません。
そして、慣れることができなかった人からしたら、介護職の仕事は「汚い」というイメージを強く抱えたまま辞めることになるので、より周囲に介護の仕事は汚いというイメージを伝えてしまうと言えます。
介護の仕事の「危険」な点とは
危険な点?
あまり思い浮かばない人もいらっしゃると思います。利用者が介護職員の不注意で、転倒などをさせて怪我をさせてしまう危険はありますが、介護職員本人の危険な点とは何か? と思ってしまっている人もいらっしゃると思います。
介護の仕事の危険な点としては、病気をうつされてしまうことが挙げられます。
高齢者の方は免疫力が低いので、インフルエンザやノロウイルスにかかるリスクも高いです。そして、集団生活をしているので、蔓延もしやすいという危険もあります。
当然ですが、介護職員の方が利用者からうつされる危険性もあります。
他の3Kと違って、頻度は少ないですが、一度インフルエンザやノロウイルスが発生すると、危険度が一気に上がると言えます。
後は、利用者からの暴力や暴言なども危険に当てはまるかもしれません。
実際に、利用者からの暴力や暴言などに頭を悩ませている人もいらっしゃいます。
そして、更に問題なのが、そのような利用者の暴力や暴言に晒されている介護職員を他の介護職員や施設長が助けようとせずに、本人に任せてしまっているケースになります。
要は、人間関係非常に悪い職場の雰囲気になってしまっていたり、企業が現場の職員を守ろうとしていないのです。
そのような職場で働いていると、うつ病になったり、体調を崩すことにも繋がるので転職も視野に入れましょう。
介護職には就職しない方がいいのか
介護の仕事が他の業界の職種と比べて特別きついのかと言われたそのようなことはありません。
どのような仕事でも、きついですし、慣れるまでは割に合わないと感じることがほとんどです。
給与に関しては、全体の平均だけをみるなら、低い水準と言わざるを得ませんが、それでも職場によっても差はあります。
前述した要に、経験年数を重ねて、出世して行けば、同世代のサラリーマンの平均年収を前後は目指すことはできます。
出世だけではなく、ケアマネージャーといった方向にシフトする人もいらっしゃいます。
高齢者社会が進んでいるので、介護職の需要も多いですし、人手不足を抑えるために、待遇面を上げている職場も多いです。
3Kという言葉だけで介護職の仕事を避けるのではなく、どうして介護職という仕事に魅かれているのかも考えてみましょう。
よく聞くことかもしれませんが、やはり社会貢献性の高い仕事になるので、人の役に立っていると実感できる仕事でありますし、利用者から直接感謝の言葉を聞ける仕事でもあります。
また、転職回数がそれ程ハンデにならないので、スキルの上昇と共に、もっと待遇が良く、自分の好きな仕事ができる施設に転職することも難しくはありません。
インフルやノロをうつされるといった危険は少なからずありますが、きつい、汚いに関しては、人によっては慣れてしまえば仕事と割り切って淡々とこなせて、むしろ楽だと述べる人もいらっしゃいます。
そのため、3Kという感覚を受けるかどうかも、個々によって差があります。
介護の仕事に挑戦したいのでしたら、まずは挑戦してみてから、続けられるか考えてみてもいいかもしれませんよ。
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